オリンパスから2016年に発売されたSTF-8はいわゆるツインマクロフラッシュです。
生き物のマクロ撮影をするには重要なアイテムですが、驚くほどまともなレビュー情報が出回っていません。
オリンパス(現OMデジタルソリューションズ)すらあまりアピールしていないです。
どうなっているの?(売る気ないのですか?)
こんなに良い商品を。
代わりに(?)私なりに知られざるSTF-8の情報を紹介したいと思います。
「知らなかった〜!」
って思ってもらえたら嬉しいです。
画期的なツインフラッシュ「STF-8」
STF-8はけっこう画期的な要素が多いです。
- 小型である。
- 防塵、防滴、耐低温性能を備える
- おもいきり寄れる
小型である
前モデルのSTF-22と比べると圧倒的に小型です。フラッシュ本体発光部も制御部も小さいです。
ガイドナンバーの違いもあります。
- STF-8 GN=8.5(2灯時)
- STF-22 GN=22(2灯時)
つまり、STF-8は小型化のために光量が小さくなっています。
発売当初は「スペックダウン?」と思ったものですが、マクロ撮影(近距離の照射)専用と考えれば大光量は必要ないでしょう。
ガイドナンバーを抑えても大幅な小型を図ったのは実用重視でよいと思いました(実際に使っていて光量不足と思うことはありません)。
ちなみに電源はどちらも同じで単3電池4個です。
防塵・防滴、耐低温
しかも、STF-8は防塵・防滴仕様で、耐低温性能も備えています。
これはツインフラッシュとしては世界初らしいです。
雨が降っても、雪の中でも心配要りません。
マクロ撮影はネイチャーフォトでの野外利用が多いことを想定すると、これも実利用を考えた真面目な製品開発だと言えます。
思い切り寄れる
マクロフラッシュなので寄れるのは当たり前です。
それなのに何をいいたいかというと、強拡大撮影をするときに使えるかどうかです。
その点で、このSTF-8は最強と言えそうです。
非常に小さな生きものを撮ろうとすると、特殊なレンズ(いずれ紹介します)を使うことになり、普通のマクロレンズを使う時よりもさらに被写体に近づいて撮影することが多くなります。
そうなると、レンズと被写体の間の狭〜い隙間にストロボの光がうまく当たるかどうかは大きな問題になります。
そのため、マクロストロボ(ツインストロボ)は、左右から被写体を挟み込むように照射できるようになっています。
なので近くの被写体でも光は回ります。
ただ、現実的に、強拡大撮影の際には極端に被写体に近づくので、ストロボが前に出っ張っていると、状況次第ではぶつかってしまいます。
そのため、マクロストロボは前に出っ張っていない方がよいですが、発光部をレンズ前面よりも後ろにすると光がうまく被写体に当たらなくなります。
この点で、STF-8はギリギリの配置がされていて実に心強いです。
- 発光面がレンズ前面ギリギリの位置にある(前に出ていない)
- それを絶妙な形状の拡散版で光を回している
ちなみにこの点で、ニコンの現行ストロボ(クローズアップスピードライトコマンダーキットR1C1)もまあまあよさそうです。
キヤノン(マクロツインライト MT-26EX-RT(W))はいまいちっぽいです。
不満点1:レンズ交換が面倒
STF-8も完璧ではありません。
使っていて不満に感じることを挙げておきます。
STF-8を使うと、レンズ交換が面倒です。
非常に面倒です。
ただし、これは他社のマクロフラッシュでも同じことでしょう。
まず、レンズ交換するには専用リングを外す必要がありますが、そのままではコードも回転して絡まってしまいます。(ニコンのR1C1はワイヤレスなのでコードは絡まらない)
なので、ストロボ本体をリングから外してからリングを外す必要があります。
はずしたストロボ本体はブラブラするので、レンズ交換する間落ち着きません。
次にリングをレンズから外し、交換したいレンズに付け直します。
そのレンズをカメラに付けます。
ようやくストロボ本体を装着して完了となります。
しかし、これは同じリングを使う場合の話であって、別のリングに変える(46mm ⇄62mm)必要がある場合は更に大変です。
なぜなら、リングに付けられたジョイントも付け替えないといけないからです。
2個のジョイントを外し、これを別のリングに付けなければいけません。
ネジを使ってうまくはめ込まないといけないのですが、これがなかなかぴったりはまらず、1回で成功した試しがありません。
ここで誰もが思うでしょう。
「めんどうくせ〜!」
「レンズ交換だいきらい〜」
と。
不満点2:パーツが高額
しかたがないので、ジョイントを追加購入して、両方のリングに装着したままにしようと思いましたた。
そうだ、いっそのことリングも追加購入して、マクロ撮影に使う全てのレンズにリングとジョイントを全部装着したままにすればいいと。
その頃、私がマクロ撮影によく使うレンズは以下だった。
- m Zuiko Digital 60mm f2.8(フィルター径:46mm)
- m Zuiko Digital 12-40mm f2.8(フィルター径:62mm)
- ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2(レンズキャップねじ径:49mm→ステップアップリングで62mmに変換)
- LAOWA 60mm F2.8 2X ULTRA MACRO(フィルター径:62mm)
よし、これにリングとジョイントをつけっぱにすればマクロ環境がバッチリだな。
62mmリングを2個、ジョイントを6個買えばよいことになる。
ジョイントとリングは、STF-8の付属品なのでカタログには載っていない。
修理パーツ扱いになるのは理解しつつ、ヨドバシカメラで相談した。
- ジョイント(MJ-1) 4800円
え?
「1個で4800円です」
え?まさか。
2個で9600円。
4個で19200円
6個で28800円
リングは?
- 46mmリング ¥2700
- 62mmリング ¥3200
ありえない。
「と、と、とりあえずジョイント2個だけ買います…」
しばらくしたら届きました。
受け取りに行きましたよ。
これだけで9600円かあ〜。
と言いつつ買っている自分って…。
カメラに溺れていると思われても言い訳できないな。
オリンパスさん(OMDSさん)、これはなんとか考え直してほしいです。
STF-8を普及させるためにも考えて欲しいっす。
結論:オススメ。
不満も書きましたが、結論としてはオススメです。
オリンパス(OMDS)がこんな商品を発売してくれていることがありがたいです。
しかも他社より圧倒的に安いですよ。
買いましょう。
買いましょう!
買いましょう!!
これからもこのような商品が存続できるように。
STF-8については、もっと書きたいことがあるのでまたいずれ…。
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